外国人材の帰省・休暇が重なる時期を知る|宗教・文化と祝祭日への対応
「急に長期の帰省を願い出られて、シフトが回らなくなった」——外国人材を受け入れる現場で、意外とよく起きるトラブルです。しかしこれは、本人のわがままでも突然の出来事でもありません。多くの場合、母国の年に一度の大切な行事にあたっており、日本人にとってのお盆や正月のようなもの。つまり、時期はあらかじめ読めるのです。母国の祝祭日を知っておくだけで、「突然の困りごと」は「計画できる予定」に変わります。本記事では、代表的な国の行事と、それをシフト・生産計画にどう活かすかを整理します。
「知らなかった」が現場を止める
祝祭日への無理解は、静かに現場のリスクになります。よくあるのが次のような場面です。
- 帰省の集中:同じ国の従業員が同じ時期にまとめて長期休暇を希望し、シフトが埋まらない
- 体調・安全面:断食期間中の従業員が、暑い時期や重労働で無理をしてしまう
- すれ違い:大切な行事への配慮がないと感じられ、信頼関係にひびが入る
どれも、事前に「時期」を知っていれば防げるものばかりです。逆に、企業側から「この時期は大事だよね」と声をかけられると、それだけで信頼はぐっと深まります。定着やトラブル防止の観点は「失踪・早期離職を防ぐ|受け入れ企業のためのメンタルケア入門」ともつながります。
代表的な国の主要イベント
国籍によって、意識しておきたい行事は大きく異なります。代表的なものを挙げます。
- ベトナム|テト(旧正月):一年で最も重要な行事。長期の帰省希望が集中しやすく、時期も年によって動きます。
- インドネシア|ラマダン(断食月)とレバラン:断食明けの大型連休は帰省のピーク。断食期間中は体調・安全への配慮も必要です。
- ネパール|ダサイン:国を挙げての最大の祭り。まとまった休暇の希望が出やすい時期です。
- そのほか:各国の建国記念日や宗教行事など、国籍ごとに「外せない日」があります。
ポイントは、これらの多くが太陰暦やイスラム暦などに基づく「移動祝祭日」で、毎年日付が前後すること。「去年と同じ時期」と思い込まず、年ごとに確認するのが安全です。
シフト・生産計画に「先読み」で組み込む
行事の時期がわかれば、あとは計画に落とし込むだけです。難しいことは必要ありません。
祝祭日を味方につける進め方
- 従業員の国籍ごとに主要な行事の時期を年間で把握する
- 帰省が集中しそうな時期は、早めに休暇希望をヒアリングして調整する
- 断食など体調・安全に関わる時期は、作業や休憩の配慮を検討する
- 繁忙期と重なる場合は、前もって増員・工程調整で備える
「休ませない工夫」ではなく、「あらかじめ織り込む工夫」。この発想の転換が、現場の安定と従業員の満足を両立させます。
国籍を選ぶだけで、年間カレンダーが見える
とはいえ、複数の国の行事を毎年自分で調べて回るのは大変です。そこで役立つのが、JOLの無料ツール「宗教・文化対応カレンダー」です。従業員の国籍を選ぶだけで、母国の主要な祝祭日を年間タイムラインで一覧化。帰省・休暇が集中しそうな時期がひと目でわかり、各行事にはシフト調整のヒントや労務・安全上の注意点も添えています。「この先60日の要注意イベント」も表示されるので、うっかり見落としも防げます。まずは自社にいる国籍を選んで、来月からの予定を確認してみてください。
