労務管理

外国人材の帰省・休暇が重なる時期を知る|宗教・文化と祝祭日への対応

外国人材の帰省・休暇が重なる時期を知る|宗教・文化と祝祭日への対応

「急に長期の帰省を願い出られて、シフトが回らなくなった」——外国人材を受け入れる現場で、意外とよく起きるトラブルです。しかしこれは、本人のわがままでも突然の出来事でもありません。多くの場合、母国の年に一度の大切な行事にあたっており、日本人にとってのお盆や正月のようなもの。つまり、時期はあらかじめ読めるのです。母国の祝祭日を知っておくだけで、「突然の困りごと」は「計画できる予定」に変わります。本記事では、代表的な国の行事と、それをシフト・生産計画にどう活かすかを整理します。

※宗教・文化への配慮は、一人ひとりの信仰や習慣の度合いによって異なります。本記事は一般的な傾向を示すもので、対応を一律に決めつけるものではありません。実際には本人とよく話し合い、個別の事情に合わせて調整することが大切です。移動祝祭日の日付は年により前後します。

「知らなかった」が現場を止める

祝祭日への無理解は、静かに現場のリスクになります。よくあるのが次のような場面です。

どれも、事前に「時期」を知っていれば防げるものばかりです。逆に、企業側から「この時期は大事だよね」と声をかけられると、それだけで信頼はぐっと深まります。定着やトラブル防止の観点は「失踪・早期離職を防ぐ|受け入れ企業のためのメンタルケア入門」ともつながります。

代表的な国の主要イベント

国籍によって、意識しておきたい行事は大きく異なります。代表的なものを挙げます。

ポイントは、これらの多くが太陰暦やイスラム暦などに基づく「移動祝祭日」で、毎年日付が前後すること。「去年と同じ時期」と思い込まず、年ごとに確認するのが安全です。

シフト・生産計画に「先読み」で組み込む

行事の時期がわかれば、あとは計画に落とし込むだけです。難しいことは必要ありません。

祝祭日を味方につける進め方

  • 従業員の国籍ごとに主要な行事の時期を年間で把握する
  • 帰省が集中しそうな時期は、早めに休暇希望をヒアリングして調整する
  • 断食など体調・安全に関わる時期は、作業や休憩の配慮を検討する
  • 繁忙期と重なる場合は、前もって増員・工程調整で備える

「休ませない工夫」ではなく、「あらかじめ織り込む工夫」。この発想の転換が、現場の安定と従業員の満足を両立させます。

国籍を選ぶだけで、年間カレンダーが見える

とはいえ、複数の国の行事を毎年自分で調べて回るのは大変です。そこで役立つのが、JOLの無料ツール「宗教・文化対応カレンダー」です。従業員の国籍を選ぶだけで、母国の主要な祝祭日を年間タイムラインで一覧化。帰省・休暇が集中しそうな時期がひと目でわかり、各行事にはシフト調整のヒントや労務・安全上の注意点も添えています。「この先60日の要注意イベント」も表示されるので、うっかり見落としも防げます。まずは自社にいる国籍を選んで、来月からの予定を確認してみてください。

よくある質問

外国人材の長期休暇は断ってもよいですか?
テトやラマダン明けなど、母国で年に一度の大切な行事にあたる時期の帰省希望は、本人にとって非常に重みのあるものです。頭ごなしに断るのではなく、あらかじめ集中する時期を把握しておき、早めに休暇の希望を聞いて計画的に調整することが、定着とトラブル防止の両面で重要です。
ラマダン中に配慮すべきことはありますか?
断食を行う従業員は、日中の飲食を控えるため、特に暑い時期や重労働では体調・安全面への配慮が必要になる場合があります。休憩の取り方や作業内容の調整、水分・体調の確認など、本人と相談しながら無理のない働き方を一緒に考える姿勢が大切です。
祝祭日の日付は毎年同じですか?
同じとは限りません。イスラム暦や太陰暦、ヒンドゥー暦などに基づく行事は、年によって日付が前後します。月の観測などで直前に確定するものもあるため、早めに「おおよその時期」を押さえつつ、確定情報を都度確認しておくと安心です。
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母国の祝祭日を、国籍を選ぶだけで。

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