在留期間更新の申請はいつから?特例期間の仕組みと企業がやるべき期限管理をわかりやすく解説
外国人材を雇用していると、1年後・3年後といったサイクルで必ずやってくるのが在留期間の更新(在留期間更新許可申請)です。「本人任せにしていたら期限が近づいていた」「申請中に期限が来てしまったが、働いてもらってよいのか分からない」——現場からよく聞く悩みです。在留期限を1日でも過ぎれば不法残留となり、そのまま働かせれば会社側も不法就労助長罪に問われかねません。本記事では、いつから申請できるのか、申請中に期限が来た場合の「特例期間」の仕組みと落とし穴、そして必要書類と企業がやるべき期限管理の仕組み化を整理します。
在留期間更新許可申請とは——満了日のおおむね3か月前から申請できる
在留資格には「1年」「3年」「5年」といった在留期間が付されており、期間を超えて引き続き雇用するには、在留期間の満了前に更新の許可を受ける必要があります。申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理局で、在留期間が6か月以上の場合、満了日のおおむね3か月前から受け付けられます(入院や長期出張など特別な事情があれば、それより前からの申請を相談できることもあります)。
審査期間の目安はおおむね2週間〜1か月程度とされていますが、転職直後で審査資料が増えるケースや、申請が集中する年度替わりの時期には、それ以上かかることも珍しくありません。だからこそ「3か月前になったらすぐ動く」が実務の原則です。
もうひとつ押さえておきたいのは、更新は「申請すれば必ず許可されるもの」ではないという点です。在留資格に応じた活動を続けているか、素行に問題がないか、住民税などの納税や社会保険の手続き、入管法上の届出義務を履行しているか——といった点が審査されます。給与や労働時間など雇用契約の内容・労務管理の状況も審査の対象になるため、会社側の管理体制そのものが本人の在留の安定に直結します。
申請中に在留期限が来たら?——「特例期間」の仕組みと3つの落とし穴
「審査結果が出る前に在留期限が来てしまう」ケースは制度上想定されており、在留期間の満了日までに更新申請をしていれば、審査結果が出る日、または満了日から2か月を経過する日のいずれか早い日まで、引き続き適法に在留できます。これが特例期間です。特例期間中は、従前の在留資格の活動範囲内で就労もそのまま続けられます。申請をすると在留カードの裏面に「在留期間更新等許可申請中」の記載がされるので、会社はこれを確認し、記録を残しておきましょう。
ただし、特例期間には注意すべき落とし穴があります。
- ① 満了日までに申請していることが大前提:満了日を過ぎてからの申請に特例期間はありません。1日でも過ぎれば不法残留となり、雇用を続ければ不法就労助長罪のリスクが生じます
- ② 不許可になれば就労はそこまで:特例期間はあくまで「審査結果が出るまで」の在留を認めるものです。不許可となった場合はその後の就労はできず、出国準備などの対応が必要になります
- ③ 「申請したから安心」で放置しない:特例期間の上限は満了日から2か月です。結果の受領が遅れていないか、追加資料の求め(資料提出通知)が届いていないかを、会社としても本人と一緒に追いかける体制が必要です
特例期間は「ぎりぎりの申請でも救済される仕組み」ではなく、余裕をもって申請した人の審査を落ち着いて待つための仕組みと捉えるのが安全です。
必要書類と企業がやるべきこと——会社カテゴリと期限管理の仕組み化
就労系の在留資格の更新では、本人側の書類(申請書・写真・在留カード・パスポートなど)に加えて、勤務先が用意する書類が必要です。「技術・人文知識・国際業務」などでは、勤務先の規模等に応じたカテゴリ(1〜4)で提出書類が変わり、上場企業などのカテゴリ1・2は簡素、中小企業が多く該当するカテゴリ3・4では決算文書や前年分の源泉徴収票等の法定調書合計表など、会社側の書類が多くなります。特定技能では、分野ごとの要件に加えて定期届出などの義務を履行しているかも確認されるため、日常の届出管理がそのまま更新の通りやすさに響きます。準備に時間がかかるのは、たいてい本人の書類ではなく会社側の書類です。
企業の期限管理チェックリスト
- ① 在留期限の一元管理:従業員ごとの在留資格・満了日を台帳やダッシュボードで一覧化し、3か月前にアラートが上がる仕組みをつくる
- ② 3か月前に申請準備を開始:本人書類と会社側書類(カテゴリに応じたもの)を洗い出し、担当者と期限を決める
- ③ 申請したら「申請中」の記載を確認:在留カード裏面の記載を確認し、コピーを保管。特例期間の起算(満了日)もあわせて記録する
- ④ 結果受領後は新しい在留カードを確認:新しい在留期間・満了日を台帳に反映し、次回アラートを設定する
なお、更新申請は窓口だけでなく在留申請オンラインシステムでも行えます。所属機関(会社)の職員が利用申出をして承認されれば会社のパソコンから申請でき、マイナンバーカードを持つ本人がオンラインで申請することも可能です。窓口の待ち時間がなくなるため、対象となる企業は活用を検討する価値があります。
期限管理は、担当者の記憶や個人のExcelに依存した瞬間にリスクになります。従業員ごとの在留期限・資格・書類の状況を一元管理し、アラートで更新準備のタイミングを逃さない体制づくりについては、在留資格管理の効率化の記事もあわせてご覧ください。雇入れ・離職時に必要な外国人雇用状況の届出との違いも押さえておくと安心です。
