留学生アルバイトの「週28時間ルール」とは?どの曜日から数えても28時間以内——長期休暇の特例・掛け持ちの落とし穴と企業の確認実務をわかりやすく解説

留学生アルバイトの「週28時間ルール」とは?どの曜日から数えても28時間以内——長期休暇の特例・掛け持ちの落とし穴と企業の確認実務をわかりやすく解説

外食・小売・製造・ホテル——特定技能や育成就労の受け入れ企業の多くが、同じ現場で留学生アルバイトも雇用しています。そこで必ず付いて回るのが「週28時間ルール」です。在留資格「留学」は本来就労が認められておらず、アルバイトをするには資格外活動許可が必要で、その上限が原則週28時間。ここまでは多くの担当者がご存じですが、実はこの28時間、「どの曜日から数え始めても常に28時間以内」でなければならず、掛け持ち先との合算で判断され、残業時間も含まれる——と聞くと、自社のシフト管理に自信を持てるでしょうか。超過させれば本人の在留資格だけでなく、企業側も不法就労助長罪のリスクを負います。本記事では、28時間の正しい数え方、長期休暇の特例、採用時・雇用中の確認実務までを整理します。

※本記事は2026年10月12日時点の公表情報にもとづく一般的な解説です。個別のケースの判断は、出入国在留管理庁の案内や行政書士など専門家にご確認ください。

週28時間ルールの基本——「資格外活動許可」とセットで理解する

在留資格「留学」で認められているのは教育機関で教育を受ける活動であり、アルバイトはそのままではできません。働くためには地方出入国在留管理官署で資格外活動許可を受ける必要があります。留学生の多くが取得しているのは「包括許可」と呼ばれるもので、勤務先や業務内容を個別に指定せず、週28時間以内の範囲でアルバイトを認める仕組みです。この許可には重要な例外があり、風俗営業等の営業所での就労は業務内容を問わず一切不可です。接待を伴う飲食店はもちろん、パチンコ店やゲームセンターなどでは、たとえ皿洗いや清掃、ビラ配りでも働かせることはできません。

許可の有無は在留カードの裏面「資格外活動許可欄」で確認します。「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」という記載があれば包括許可を受けています。空欄のまま働かせれば、その時点で不法就労です。なお2026年6月以降に交付される新様式の在留カードや特定在留カードでは、券面に表示されない情報のICチップ確認が重要になっています(詳しくは特定在留カードの解説記事をご覧ください)。また、アルバイトであっても雇入れ・離職のたびに外国人雇用状況の届出が必要です。雇用保険に加入しない短時間アルバイトの場合は、雇入れ・離職の翌月末日までにハローワークへ届け出ます。

「28時間」の数え方——週またぎの調整は効かない。掛け持ちは合算、残業も含む

実務で最も誤解が多いのが28時間の数え方です。この「週」は「月曜から日曜」のような固定の区切りではなく、どの曜日から数え始めても、直近7日間の労働時間が常に28時間以内でなければならない、と運用されています。つまり「今週のシフトは32時間だけど、先週が24時間だったから平均すればセーフ」という週またぎの調整は認められません。週の前半と後半に勤務が偏ると、月曜起算では28時間以内でも、水曜起算の7日間で超過する——ということが起こりえます。シフトを組む際は、特定の曜日に寄せすぎず1日4〜5時間×週5〜6日のように平準化しておくのが安全です。

週28時間ルール・実務チェックポイント

  • 起算日は固定されない:どの曜日から数えた7日間でも28時間以内に収まるようシフトを平準化する
  • 残業も含む:所定シフトは26時間でも、忙しくて3時間延長すれば違反。打刻ベースの実労働時間で管理する
  • 掛け持ちは合算:すべての勤務先の合計で28時間以内。採用時と定期面談で他社の勤務時間を申告してもらう
  • 長期休暇の特例:学則で定める長期休業期間は1日8時間以内(労基法とあわせ週40時間が目安)。学年暦など学校発行の書面で期間を確認してから切り替える
  • 在学中であることが前提:卒業・退学・除籍後や休学中は包括許可では働けない。卒業予定者は雇用継続の前に在留資格の変更を確認する

特に注意したいのが掛け持ち(兼業)の合算です。自社で週20時間に抑えていても、本人が他社で10時間働いていれば違反状態であり、企業側が他社分を自動的に把握する仕組みはありません。採用時に掛け持ちの有無・勤務先・時間数を確認し、誓約書に「他社分を含めて週28時間を超えない」ことを明記したうえで、シフト提出時や定期面談で申告してもらう運用が現実的です。そして、超過を知りながら、あるいは確認を怠って働かせた場合、企業側は不法就労助長罪に問われるおそれがあります。罰則は現行で3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金、2027年4月からは5年以下・500万円以下に引き上げられます。「本人が大丈夫と言ったので」は通用しない、と考えておくべきです。本人側も、資格外活動違反は在留期間更新の不許可や在留資格の取り消しにつながり、学業を終えても日本で働き続ける道を自ら閉ざすことになります。

留学生アルバイトは「将来の採用候補」——28時間の適正管理がキャリアパスを守る

週28時間ルールを「面倒な制約」とだけ捉えるのはもったいない、というのが本記事の結論です。現場を知っている留学生アルバイトは、卒業後に技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)や特定技能1号(技能試験・日本語試験の合格が必要)へ在留資格を変更して正社員として迎えられる、最も確実性の高い採用候補です。とりわけ外食業で特定技能の新規受け入れが停止し、国内在留人材の採用競争が過熱するいま、自社でアルバイト経験のある留学生の正社員化は、ゼロからの採用よりはるかに定着が見込めます。

ただし、その在留資格変更の審査では本人の在留状況——つまりアルバイト時代に28時間を守っていたかが見られます。企業がルーズなシフト管理で超過させていた場合、将来の戦力候補の変更申請が不許可になるリスクを企業自身がつくってしまうことになります。在留カードの許可欄確認・実労働時間の管理・掛け持ちの申告運用という3点をきちんと回すことは、コンプライアンスであると同時に、将来の採用パイプラインへの投資でもあるのです。アルバイトを含めた外国人スタッフの在留資格・在留期限・許可の有無を台帳で一元管理し、卒業予定時期から逆算して正社員化の声かけができる体制を整えておきましょう。

よくある質問

週28時間は、どの時点から数えればよいのですか?
「どの曜日から数え始めても、直近7日間が常に28時間以内」になっている必要があります。たとえば月曜起算では28時間以内でも、水曜から翌火曜までの7日間で28時間を超えていれば違反です。「今週は忙しいから多めに、来週は少なめに」という週またぎの調整は認められません。シフトを組む際は、特定の曜日に勤務を寄せすぎず、1日4時間×週6日のように平準化しておくと管理が安全です。なお、この28時間には残業時間も含まれます。
夏休みなどの長期休暇中は、フルタイムで働いてもらえますか?
在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間(夏休み・冬休み・春休みなど)に限り、1日8時間以内まで働くことができます。労働基準法の上限とあわせると週40時間が目安です。ポイントは「学則で定める休業期間」であることで、本人の自己申告だけで判断せず、学校が発行する学年暦や休業期間の証明で期間を確認してから特例シフトに切り替えるのが安全です。休業期間が終われば、ただちに週28時間以内に戻す必要があります。
掛け持ちのアルバイトがある場合、自社で週28時間までなら問題ありませんか?
問題あります。週28時間の上限は、すべての勤務先の労働時間を合算して判断されます。自社で20時間でも、他社で10時間働いていれば本人は違反状態です。他社の勤務時間を企業が自動的に把握する仕組みはないため、採用時に掛け持ちの有無と時間数を確認し、誓約書や面談で定期的に申告してもらう運用が現実的です。超過を知りながら(または確認を怠って)働かせると、企業側も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。
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